〇本回答は2020年6月時点のものです。
〇生活保護を受けていても障害年金の申請は可能です。
〇障害年金の申請をするメリットとして次のことが考えられます。
1.生活保護よりも、障害年金の額が多い場合
- 例えば、持ち家に居住していて、収入はあるが足りない部分について生活保護を受けているなどの場合、障害年金の額が生活保護費の額よりも高くなる場合があります。このような場合は、障害年金を申請することによって、毎月の収入を増やすことが可能です。
2.生活保護の障害者加算がつく
- 障害年金を受給するとお住まいの市町村にもよりますが、生活保護に障害の状態によって「障害者加算」が付き、生活保護費が増えることがあります。
3.生活保護を受けられなくなった時でも、障害年金はそのまま給付される
- 生活保護を受給している人が、生活保護の基準以上の収入を得られるようになった場合、生活保護は受けられなくなりますが収入があっても障害年金は受給することができます。
4.遺族厚生年金が受けられる
- 障害等級1級、2級の障害厚生年金を受けている人が死亡したときには、その配偶者に遺族厚生年金が支給されます。
〇障害年金と生活保護は同時受給が可能です。
ただし、障害年金と生活保護を同時にもらうことはできますが、その場合満額支給にはなりません。
例えば、生活保護10万円を受給していて、障害年金8万円を新たに受給できるようになったとすると
障害年金8万円と生活保護2万円(生活保護10万円−障害年金8万円=2万円)を受給となります。
障害年金の額だけ生活保護費が減額されてしまいます。この場合だと受給額は生活保護の10万円と変わりません。
同時受給したからといって支給金額が2倍となるわけではありません。
〇生活保護受給中に障害年金の受給が決まった場合、受給した障害年金の金額の限度で、生活保護費の返還をしなければならないことがあります。
遡及請求で障害年金の受給が決まると、過去の分も含めた障害年金が初回にまとめて支給されます。
この場合、生活保護費の返還を市町村から求められますので注意が必要です。
遡及請求とは、
障害年金は障害認定日(原則として初診日から1年6月を経過した日)が到来すれば申請することができます。
しかし、制度そのものを知らなかった等の理由で申請していなかった場合に、障害認定日から1年以上経過して、障害認定日時点での認定を求めて請求することを遡及請求といいます。
〇障害年金と生活保護の制度の違いを理解したうえで、同時受給して両方のメリットを生かして生活を安定させていくことが大切です。