本回答は2020年11月時点のものです。
障害年金には、社会的治癒という考え方があります。
社会的治癒とは
社会的治癒とは、
医療を行う必要がなくなり社会復帰して、
無症状で医療を受けることなく相当期間(傷病にもよりますが、少なくとも5年)経過している場合に、
請求者が不利にならないために前の傷病と後の傷病を分けて取り扱う考え方です。
この社会的治癒は、被保険者を救済する趣旨で考案されたものであり、
保険者が被保険者の受給権を否定するための根拠として援用することは、
その趣旨に反し許されないとされています。
しかし、実際の審査では、長期にわたり受診中断がある場合に前後の傷病を別疾病とみなす事例が見られます。
ご質問者様の場合、7年間の病歴の中で2度受診しなかった期間があるとのことです。
その期間にもよりますが、一貫して統合失調症であり、その症状に連続性が見られるものであれば、
前後の傷病を別疾病とされることはないでしょう。
ご質問内容からは日常生活状況の詳細等はわかりかねますが、
いいかの認定基準などを参考に障害年金の申請を検討しましょう。
統合失調症の認定について
統合失調症は、罹患後数年ないし十数年の経過中に症状の好転を見ることもあり、
また、その反面急激に増悪し、その状態を持続することもあります。
したがって、統合失調症として認定を行うものに対しては、
発病時からの療養及び症状の経過を十分考慮するものとされています。
統合失調症の認定基準
- 1級…高度の残遺状態又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の援助が必要なもの
- 2級…残遺状態又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの
精神の障害で審査される主な項目について
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。