本回答は2020年11月時点のものです。
障害給付(年金・一時金)はおおむね以下の状態であれば受給できます。
【1級】
他人の介助が無ければほとんど自分の用事を済ませることができない者
【2級】
日常生活が著しい制限を受けるもの
【3級】
労働が著しい制限を受けるもの
(但し、初診日から5年以内に症状固定した場合は障害手当金)
障害年金は症状(障害状態)の重さによって等級が分けられています。
3級が最も症状が軽く、2級、1級になるにつれて重く、また、受給額も多くなります。
3級の認定は、初めてこの病気について病院に行った日に加入していた年金制度が、「厚生年金」である必要があります。ご相談者様の場合お勤めであったとのことですから厚生年金加入中であったと考えられます。
もし、初めてこの病気について受診した日に加入していた年金制度が「国民年金」や
20歳前で年金未加入だった場合、2級以上に該当しなければならず、3級では受給することができません。
障害年金はいくら受給できるのか(令和2年4月) ?
・請求する疾病で初めて受診した日が厚生年金に加入していた場合
1級…年977,100円+報酬比例の年金額×1.25
2級…年781,700円+報酬比例の年金額
3級…報酬比例の年金額(最低保証額586,300円)
★モデルケース
前提 ・初めて受診した日に加入していた年金制度:厚生年金
・障害等級:3級
・厚生年金への加入期間10年
・厚生年金加入期間中全期間の平均の標準報酬月額:20万円
受給額 年額586,300円
受給できるかどうかや、受給額がどうなるかは、この病気で初めて受診した日に加入していた年金制度によって大きく異なります。
まずは、医師などを初めて受診した日を特定することが必要となります。
その上で、以下の認定基準などを参考に障害年金の請求を検討ください。
精神障害の認定について
精神の障害による障害年金の認定は、
具体的な日常生活能力、日常生活上の困難を判断し、その原因及び経過を考慮して行われます。
病名により等級が決まるものではありません。
統合失調症の認定基準
- 1級…高度の残遺状態又は高度の病状があるため高度の人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験が著明なため、常時の援助が必要なもの
- 2級…残遺状態又は病状があるため人格変化、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があるため、日常生活が著しい制限を受けるもの
- 3級…残遺状態又は病状があり、人格変化の程度は著しくないが、思考障害、その他妄想・幻覚等の異常体験があり、労働が制限を受けるもの
精神の障害で審査される主な項目について
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。
一般企業で働いている場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも仕事の内容が、管理者や指導員の常時の見守りの下での単純かつ反復的な作業であり、他の従業員との意思疎通が困難で、状況にそぐわない行動がある時は、働いていることをもって日常生活能力が向上したとは見ません。
また、一人で生活している場合であっても親兄弟や生活指導員などが頻繁に訪問し、サポートしている場合には一人暮らしができているとは見なしません。
医師に状況を伝えることが大切です。
上記日常生活の状況(何ができて何ができないのか)や就労状況、一人暮らしの場合は受けているサポートを、診断書作成医にしっかり伝え、診断書の評価に反映してもらうことが大切です。
必要に応じて職場の上司や管理者、肉親や支援員の方に状況を説明する書面の作成をお願いし参考資料として提出する場合もあります。