本回答は2020年11月現在のものです。
ご相談者様の場合、会社にお勤めであるうちに障害年金の申請をした方が有利、ということはありません。
特に聴力の障害については、就労状況等については審査されないため、在職中であることが有利になったり不利になったりすることはありません。
障害年金には、「障害基礎年金」と「障害厚生(共済)年金」があり、2級以上に該当すると障害厚生年金の方が年金額が多くなります。
そのことで、障害厚生年金の方が有利と考え、厚生年金に加入しているうちに申請をした方が有利だと助言を受けたのかもしれません。
しかし、障害厚生年金を受給するためには、申請する時点ではなく、「初診日(初めて病院を受診した日)」の時点で厚生年金に加入している必要があります。
ご質問者様の場合、就学前から難聴のため手帳の交付を受けているとのことですので、初診日は、20歳前の年金制度未加入期間中であったことが拝察されます。
そのため、請求できるのは障害厚生年金ではなく、20歳前傷病の障害基礎年金になります。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、初診日(初めて病院を受診した日)に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
20歳前傷病の障害基礎年金とは
先天性の病気などにより20歳前から障害があり、初診日が、20歳前(年金制度に加入していない期間)にあり、かつ、障害の状態が認定基準に該当する場合には、障害基礎年金を受けることができます。
等級は1級と2級があり、障害の程度によって決められます。
※初診日とは、出生直後に、あるいは乳幼児期の健康診断(6ヶ月〜3歳時健診)、または養護学校、更生相談所等の各種検査のいずれかにおいて、医師または歯科医師の診断により、20歳までに障害が確認されている場合や、療育手帳等が交付されている場合を含みます。
聴覚障害の認定基準
【1級】
【2級】
- 両耳の聴力レベルが90デジベル以上のもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下のもの
【3級】
- 両耳の平均純音聴力レベル値が70デジベル以上のもの
- 両耳の平均純音聴力レベル値が50デジベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が50%以下のもの
- 一耳の平均純音聴力レベル値が80デジベル以上で、かつ、症状が固定していないもの
ご質問者様の場合、手帳が2級になったとのことですので、障害の程度は、
- 両耳の聴力レベルがそれぞれ100デシベル以上のもの
であることが拝察されます。
上記の認定基準に当てはめると、1級に該当する可能性が考えられます。
早急に障害年金の請求をご検討ください。