(本回答は2021年8月現在のものです。)
心疾患の障害の程度の認定について
心疾患による障害の程度は、
- 呼吸困難、心悸亢進、尿量減少、夜間多尿、チアノーゼ、浮腫等の臨床症状
- X線、心電図等の検査成績
- 一般状態、治療および病状の経過
等により、総合的に認定されます。
拡張型心筋症の場合、次の認定基準により審査されます。
心筋疾患の認定基準
心疾患の検査での異常検査所見は以下の通りです。
区分
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異常検査所見
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A
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安静時の心電図において、0.2mV以上のSTの低下もしくは 0.5mV以上の深い陰性T波(aVR誘導を除く。)の所見のあるもの
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B
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負荷心電図(6Mets 未満相当)等で明らかな心筋虚血所見があるもの
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C
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胸部X線上で心胸郭係数 60%以上又は明らかな肺静脈性うっ血所見や間質性肺水腫のあるもの
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D
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心エコー図で中等度以上の左室肥大と心拡大、弁膜症、収縮能の低下、拡張能の制限、先天性異常のあるもの
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E
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心電図で、重症な頻脈性又は徐脈性不整脈所見のあるもの
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F
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左室駆出率(EF)40%以下のもの
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G
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BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)が 200pg/ml 相当を超えるもの
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H
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重症冠動脈狭窄病変で左主幹部に 50%以上の狭窄、あるいは、3 本の主要冠動脈に 75%以上の狭窄を認めるもの
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I
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心電図で陳旧性心筋梗塞所見があり、かつ、今日まで狭心症状を有するもの
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【1級】
以下2点を満たすもの
- 病状(障害)が重篤で安静時においても、心不全の症状(NYHA心機能分類クラス4)を有する
- 身のまわりのこともできず、常に介助を必要とし、終日就床を強いられ、活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの
【2級】
以下3点を満たすもの
- 上記異常検査所見のFがある
- 病状をあらわす臨床所見が5つ以上
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
以下3点を満たすもの
- 上記異常所見のA,B,C,D,E,Gのうち2つ以上の所見がある。
- 心不全の病状をあらわす臨床所見が5つ以上ある。
- 歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの、または、身のまわりのある程度のことはできるが、しばしば介助が必要で、日中の 50%以上は就床しており、自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったもの
【3級】
以下3点を満たすもの
- EF値が50%以下を示す
- 病状をあらわす臨床所見が2 つ以上ある
- 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
以下3点を満たすもの
- 上記異常所見のA,B,C,D,E,Gのうち1つ以上の所見がある
- 心不全の病状をあらわす臨床所見が1つ以上ある。
- 軽度の症状があり、肉体労働は制限を受けるが、歩行、軽労働や座業はできるもの、または、歩行や身のまわりのことはできるが、時に少し介助が必要なこともあり、軽労働はできないが、日中の 50%以上は起居しているもの
ご質問内容からは、具体的な検査成績が分かりかねますが、異常検査所見や臨床所見があり、軽労働や座業ができる程度であれば、3級に相当する可能性は考えられます。
上記の認定基準を参考にしていただき、申請をご検討されてはいかがでしょうか。
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