徳島市在住の男性、適応障害から発達障害に診断名が変わった場合の初診日についてのご質問
阿部 久美のブログ

今日は徳島市にお住いの男性から、ご相談をいただきました。
この男性は23歳の時に、慣れない仕事が原因で適応障害と診断されましたが、通院はその1回のみで、仕事もかろうじて続けておられたそうです。
25歳の時に再び体調が悪化し、同じく適応障害と診断され通院・服薬しながら仕事を続けておられましたが回復ははかばかしくありません。
そこで1か月後に別の病院を受診したところ発達障害が併存していると診断されました。
結局仕事は続けられず、現在は無職のため、障害年金の申請を考えておられるとのことですが「発達障害と診断されて1年半が経つのですが、私の場合初診日はいつになりますか?」というお問い合わせです。
ご質問者様の場合、23歳の時に適応障害のために初めて受診した日が初診日になる可能性が考えられます。
初診日とは
障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
ただし、知的障害の場合は、出生日が初診日となります。
適応障害と診断されていた後から発達障害が判明するケースについては、
そのほとんどが診断名の変更であり、あらたな疾病が発症したものではないことから別疾病とせず、「同一疾病」として扱われます。
そのため発達障害の初診日は、適応障害の初診日になります。
適応障害などの神経症にあっては、原則として障害年金の認定の対象となりませんが、発達障害は認定の対象となっています。
下記の認定基準等を参考にしていただき、申請をご検討されるようお奨めしました。
発達障害の認定について
発達障害については、
たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により
対人関係や意思疎通を円滑に行うことが出来ないために
日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定をされます。
発達障害の認定基準
【1級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が欠如している
- 著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
【2級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が乏しい
- 不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
【3級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が不十分
- 社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
精神の障害で審査される主な項目について
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。
一般企業で働いている場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも仕事の内容が、管理者や指導員の常時の見守りの下での単純かつ反復的な作業であり、他の従業員との意思疎通が困難で、状況にそぐわない行動がある時は、働いていることをもって日常生活能力が向上したとは見ません。
また、一人で生活している場合であっても親兄弟や生活指導員などが頻繁に訪問し、サポートしている場合には一人暮らしができているとは見なしません。
医師に状況を伝えることが大切です。
上記日常生活の状況(何ができて何ができないのか)や就労状況、一人暮らしの場合は受けているサポートを、診断書作成医にしっかり伝え、診断書の評価に反映してもらうことが大切です。
必要に応じて職場の上司や管理者、肉親や支援員の方に状況を説明する書面の作成をお願いし参考資料として提出する場合もあります。
お気軽にお問合せください。
障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
どんなご相談でも承ります。お気軽にお問合せください。
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