不安障害からADHD【発達障害】に診断が変わった女性からのお問い合わせ
阿部 久美のブログ

今日は不安障害からADHDに診断が変わった女性からのお問い合わせをいただきました。
この女性は10年位前に、不安障害との診断を受けられたそうです。
その時は社会人としてお勤めで厚生年金に加入していました。処方された薬を服薬しても回復ははかばかしくないため転院されましたが、そこでも同じ不安障害との診断でした。
4年ほど経過したのち、再度、転院したところ、今度はADHDであり、これまでの不安障害はADHDがベースにあってその上に発生していた症状であるとの説明があり、お薬も変わったそうです。
しかしその時は会社を辞めておられ、3号被保険者でした
こういった場合、不安障害と診断された厚生年金加入時か、ADHDと診断された3号被保険者の時か、いずれが初診日となるのかというご質問です。
この女性の場合、10年前に社会不安障害のために初めて病院に行った日が初診日となるでしょう。
初診日とは
初診日とは、障害の原因となった傷病について、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日をいいます。
不安障害などの神経症は、原則として障害年金の認定対象とはなっていませんが、
初めて病院に行った時に不安障害と診断されていても、現在は認定の対象となるADHDと診断されているため、障害年金の申請に問題はありません。
初診日当時、厚生年金に加入していたのであれば、障害厚生年金の申請になります。
初診日以降に国民年金に変わっても、障害厚生年金の申請が可能です。
障害厚生年金か障害基礎年金か
障害厚生年金を受給できるか、障害基礎年金の受給となるかは、
初診日に加入していた年金制度によって決まります。
- 初診日が厚生年金被保険者期間中にある場合は、障害厚生年金
- 初診日が国民年金被保険者期間中にある場合は、障害基礎年金
- 初診日が20歳前または60歳以上65歳未満(国内に住んでいる方のみ)の年金未加入期間にある場合は、障害基礎年金
ADHDなどの発達障害の認定基準は、以下の通りです。
発達障害の認定について
発達障害については、たとえ知能指数が高くても社会行動やコミュニケーション能力の障害により対人関係や意思疎通を円滑に行うことが出来ないために日常生活に著しい制限を受けることに着目して認定をされます。
発達障害の認定基準
【1級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が欠如している
- 著しく不適応な行動がみられるため、日常生活への適応が困難で常時援助を必要とするもの
【2級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が乏しい
- 不適応な行動がみられるため、日常生活への適応にあたって援助が必要なもの
【3級】
以下1〜2を満たすもの
- 社会性やコミュニケーション能力が不十分
- 社会行動に問題がみられるため、労働が著しい制限を受けるもの
精神の障害の認定の方法
日常生活動作、即ち、
- 適切な食事
- 身辺の清潔保持
- 金銭管理と買い物
- 通院と服薬
- 他人との意思伝達及び人間関係
- 身辺の安全保持及び危機対応
- 社会性
の7つの項目についてそれぞれ4段階で評価しその平均と総合評価(日常生活能力の程度)の組み合わせで目安が立てられます。
上記を目安に働けているかどうかや生活環境(一人暮らしができているか)等を考慮して、総合的に判定されます。
一般企業で働いている場合(障害者雇用制度による就労を含む)でも仕事の内容が、管理者や指導員の常時の見守りの下での単純かつ反復的な作業であり、他の従業員との意思疎通が困難で、状況にそぐわない行動がある時は、働いていることをもって日常生活能力が向上したとは見ません。
また、一人で生活している場合であっても親兄弟や生活指導員などが頻繁に訪問し、サポートしている場合には一人暮らしができているとは見なしません。
上記日常生活の状況(何ができて何ができないのか)や就労状況、一人暮らしの場合は受けているサポートを、診断書作成医にしっかり伝え、診断書の評価に反映してもらうことが大切です。
必要に応じて職場の上司や管理者、肉親や支援員の方に状況を説明する書面の作成をお願いし参考資料として提出する場合もあります。
ご質問内容からは、日常生活状況等が分かりかねますが、上記の認定基準等を参考にしていただき、申請を検討されてはいかがでしょうかとお話ししました。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
煩雑な手続きを代行し、権利を行使するお手伝いをしっかりさせていただきます。
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