特例子会社での就労と障害年金について
阿部 久美のブログ

今日の朝刊に、二分脊椎症という脊椎の疾患をお持ちの女性が、某特例子会社で6年にわたり働いておられるという記事が載っていました。
二分脊椎症は、排尿排便障害、上下肢のまひと運動障害、水頭症、キアリ奇形、脊髄空洞症等、様々な障害を伴う疾病であり、この女性も車いすでの生活を始め様々な制限をお持ちです。
学生生活を終えて就職活動の時期になったため就労活動を始められた時のことです。
企業には法定雇用率の順守義務が課せられています。
障がい者雇用促進法により2021年3月現在、従業員が43.5人以上いる民間企業の雇用率は「2.3%」となっています。雇用率は今後も、段階的に引き上げられることになっています。
そのため、すぐに就職先を見つけられるだろうと思っておられたそうですが、実際には30社程度を受けても全く手ごたえがなかったそうです。
数多くの就職サイトや面接会場を巡り、落ち込みかけていた時に、某特例子会社に採用が決まったそうです。
特例子会社とは、企業が障害者の雇用を促進する目的でつくる子会社のことで、一定の要件を満たした上で厚生労働大臣の認可を受ければ、その子会社の障害者雇用数を 親会社 および企業グループ全体の雇用分として合算することが認められています。
車いすを乗せた自家用車を駐車できる広い駐車場や車いす利用者が行き来できる広い廊下や多くの多目的トイレ、視聴覚障害者の為の廊下や壁の色分け、絵や図を多用したわかりやすい作業マニュアル等細かい配慮がされており、臨床心理士、産業医との面談や長期休暇後の復職支援プログラムなどメンタルな面でのフォローも充実しています。
勿論、厚生年金や健康保険などの社会保険も付保されます。
肢体や視力、聴力の障害については、就労しているかどうかは障害年金の受給可否や等級の判定の際、考慮されませんので、特例子会社で社会保険に加入し、働いたとしても障害年金受給について何の制限にもなりません。
身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳を取得していることが障害者雇用制度を利用する前提になります(会社側からすれば障害者を雇用しているとカウントされる条件)ので、手帳の保持や更新については雇用主側から確認が行われます。
一方、障害年金については、上述の通り、働きながら障害年金を受給することに何ら制限はありませんが、障害年金を請求し受給するかどうかは個人の自由意志に任されており、雇用主側から勧奨したり確認することはありません。
逆に、就労しながら障害年金を受給しても、そのことを会社側に告知する必要はありません。
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障害年金は国の施しではありません。国民の権利です。
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