『半分、青い』鈴愛の年金は?
阿部 久美のブログ

あと2週を残すばかりとなったNHKの朝の連続テレビ小説『半分、青い』ですが、主人公の楡野鈴愛は小学校3年の時に左耳の聴力を失ったという設定です。彼女は、果たして障害年金の認定対象になるのでしょうか?
同じようなお問い合わせを那覇市に在住の女性から頂戴しました。
聴力障害での障害年金の認定は両耳の平均純音聴力と最良語音明瞭度を計測して、その値に基づいて行われます。ですから、片方の耳が全く聞こえなくとも、もう片方の耳である程度聴こえる場合には、障害年金の対象にはなりません。
では片方の耳が全く聞こえない場合には、全く何の対象にもならないのかというと、そうではありません。
厚生年金障害給付の障害手当金の支給基準はこうなっています。「一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの」。そして、この、「程度」とは一耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上を言うとされています。80デシベルとは電車の車内の音の大きさです。
この障害手当金制度は厚生年金の制度ですから、初診時に厚生年金に加入していなければ請求はできません。
鈴愛は小学校3年の時に左耳の聴力を失ったわけですから、厚生年金はもとより国民年金にも加入していません。20歳前のこの時代に初診があって請求できるのは、20歳前による障害基礎年金だけであり、障害基礎年金ですから2級以上に該当しないと年金は支給されません。残念ながら鈴愛は障害年金も障害基礎年金も受給できないということになります。
ご相談者の那覇市の女性の初診は、厚生年金加入中でした。しかしながらその初診日は13年前とのことでした。障害手当金は2年分の障害年金相当の一時金(最低保証1,169,000円)ですが初診日から5年以内に症状が固定していることを診断書で証明することが必要です。そしてその日から5年以内に請求しなければ受給には結び付きません。この女性も、現時点では年金も手当金も受給できないということです。
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